ぱらぷる帖


妄想暴走族。
by parapluplu

歩いても歩いても

なんと、初の是枝作品鑑賞(映画オンチのワタシです)。

一見あっさりしているが、この執拗な重ね具合は油絵のようだ。
家族の面倒臭さや不器用さや、怠惰も何もかも、ぜんぶ緻密に一枚の絵に塗りこめたような。

会話そのものには何の重要な意味がなくても、それぞれの発する言葉が重なり、混じりあって、蒸発して尚残る何かがあるということを微に入り細にいり丹念に描いた映画。

普段の家族の会話は、いわゆるドラマのようには構成されていない。誰かが話している間に他のメンバーがじっくり耳を傾ける、なんていうのはよっぽど大事な話でもないのではなかろうか。大家族ともなれば、雑多な会話が複数のラインで同時に交わされているものだ。

是枝監督はそれこそを描きたかったんじゃないかな、と。賛否は勿論あるのだろうが、しかし、だから監督の描きたいことはじっくり描き込めたんだろうなという感じ。

ちょうど2週間オランダに遊びに来ていた両親が帰国したばかりなので、この映画の、ワタシへの、染み込み方が深いような気がする。たぶん、違うタイミングで観ていたら、ここまで深く届かなかったかもしれない。でも何回か違うタイミングで観てみたい。その時々で引っかかり方も違うような気がするし。

阿部寛演じる次男・良多と、樹木希林演じる母親の、夜の台所での会話について言えば樹木希林があと3割ほど力を抜いて丁度良かったんじゃないかな、と思ったりもした。子供(長男)を亡くした親の執念と言う意味では何年経とうとも決して軽くなってはいかないだろうが、どうもあの瞬間の迫力だけが、やや映画から浮いてしまっているような印象を受けた。

YOU演じる長女・ちなみ、高橋和也演じるその旦那の物凄いバランスの下世話さというか普通さもよかった。しかしなー、原田芳雄(父親役)は、力みすぎ?どこかで北野武が言っていたらしいけど、樹木希林に喰われてしまう役者って多いんだろうなーと。その点、YOUは飄々としてたな。年を重ねるごとにいい俳優さんになっていってくれそうな予感。
[PR]
by parapluplu | 2012-04-17 02:48 | 観ル
<< Stoffen Markt(手芸市) ときどき、オランダ >>


カテゴリ
住ム
着ル
読ム
作ル
遊ブ
観ル
ひとりごと
以前の記事
お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ブログパーツ
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧